通信を活用した協調型自動運転に最適な通信方式を検討しています
通信を使って車外から様々な交通環境情報を入手することで高度な自動運転を可能とする、協調型自動運転の実現が期待されています。
その実現に向けあらかじめ協調型自動運転に最適な通信方式を考え、準備しておく必要があります。
通信方式を考えるうえで大切なのは、協調型自動運転とはどのようなもので、どのような活用方法(ユースケース)を前提とすればよいかを明らかにすること。
そのうえで、日本として最適な通信方式を提案します。
協調型自動運転システムを定義
「協調型自動運転システムとは、自律型自動運転システムをベースに、車載センサー検知外の情報の入手や自車が保有する情報の提供及び車車/路車間の意思疎通を通信で行うことで、より安全でスムーズな自動運転制御を可能とするシステム」
「SIP協調型自動運転ユースケース第1版」を発行
協調型自動運転システム定義を基にユースケースを25シーンにまとめた(SIP HP公開済)
協調型自動運転通信方式の提案(活動中)
・ユースケースを実現する通信要件の作成
・通信要件を満足する通信方式を提案
・いつ頃、どんな通信技術が必要になるかをロードマップで示す
SIP協調型自動運転ユースケースの策定
SIP協調型自動運転ユースケース 第1版
通信方式を検討する上で前提となるユースケースを定義しました
1)ユースケース検討プロセス
電波の有効利用を考慮し、実用化の可能性が高い25ユースケースに絞り込みました
①ユースケースの調査
欧、米、アジア(日本含む)の協調型自動運転、および安全運転支援のプロジェクトで用いられたユースケースを調査
②ユースケースを考えるうえでの前提条件を考慮
・すべての交通参加者は基本的に法規を遵守するものとする
・自律型自動運転システムで実現できるユースケースは含めない
③協調型自動運転システム定義に合致
2)SIP協調型自動運転ユースケース
協調型自動運転定義を基に3カテゴリーに分類しました
①車載センサー検知外情報の入手が必要なユースケース(14シナリオ)
a.合流・車線変更支援(2)
b.信号情報(2)
c.先読み情報:衝突回避(4)
d.先読み情報:走行計画変更(5)
e.先読み情報:緊急車両回避(1)
②自車が保有する情報の提供が必要なユースケース(4シナリオ)
f.インフラによる情報収集・配信(4)
③車車間及び路車間の意思疎通が必要なユースケース(7シナリオ)
a.合流・車線変更支援(4)
g.隊列・追従走行(2)
h.遠隔操作(1)
3)検討体制
産官学のオールジャパン体制で協調型自動運転の通信方式を検討しています
SIP自動運転は、引き続き人文・社会科学の視点も含む総合知をフル活用して、Society5.0の具現化として社会構造を変革する自動運転社会の実現と、その先にある一人ひとりの多様な幸せの実現に貢献していきたいと思います。
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