車両プローブ情報を用い、車載センサで検知できない前方の状況を把握し、安全で円滑な自動運転に資する仕組みづくりに取り組んでいます
本施策では早期社会実装を目指し、実用化済みの車両プローブ情報を活用した車線レベルの道路交通情報の生成に取組んでいます。
この情報により自動運転車は前方で生じた事象に対しあらかじめ車線変更を行うことなどにより、安全で円滑な走行が可能となります。
また、この情報はドライバーにも有効な情報といえます。実証実験システムを構築し、首都高速を舞台に情報生成の技術的可能性や有効性等を検証し、自動運転の実現を後押しします。
本施策のスコープ
自動運転車が適切な判断や制御を行うには、自車が置かれている各シーンで必要となる制御を行うまでの距離によって段階があり、各段階の特徴に応じて様々な通信手段を用い、得られる情報を総合的に組合せて提供することが重要です。
本施策では車線変更を中心としたパスプランニングでの活用から検討を進めており、早期の社会実装を目指し、実用化済みの車両プローブ情報を活用した情報生成・提供技術の検討から取り組みを始めています。
実際に複数のOEM等から車両プローブ情報を収集して検証
本施策では実際に複数のOEM(自動車メーカー)等から車両プローブ情報を収集し、従来の道路交通情報と同等程度のリアルタイム性(5分更新程度)での情報生成・提供から検討を進めています。将来的にはより即時性・信頼性の高い情報生成・提供を目指します。
車線レベル道路交通情報の活用と検証
車線レベル道路交通情報とは?
車両プローブ情報とはコネクティッドカーから得られる車両の走行状況に関する情報で、車両の走行位置や時刻、速度、ウインカー点灯状況等の情報が代表的なものとして挙げられます。
本施策ではこれらの情報を上手く活用し、車線レベルの道路交通情報を進行方向100m程度の分解能で生成することを目指します。この情報により後続の車両はどの車線を走行すべきか、どのタイミングで車線変更すべきかといったパスプランニングを行うことができます。将来的には道路・交通管理者等の情報も組合せ、より高度な情報提供を目指します。
実証実験で情報生成の可能性や有効性等を検証
実証実験ではOEM(自動車メーカー)等から実際に車両プローブ情報を収集し、渋滞末尾、交通事故・落下物等、車線規制(工事等)の3つのユースケースを対象に、それらにより生じる交通流異常の末尾位置を現状の収集データ量等からどの程度検出可能かを検証します。また、首都高速道路において実際に渋滞末尾ユースケースを対象に、実験参加車両に渋滞末尾位置を注意喚起情報として配信する実験を行い、提供情報の有効性や実用化に向けた改善検討等を行います。
SIP自動運転は、引き続き人文・社会科学の視点も含む総合知をフル活用して、Society5.0の具現化として社会構造を変革する自動運転社会の実現と、その先にある一人ひとりの多様な幸せの実現に貢献していきたいと思います。
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