自動運転を安全に利用できるための教育の内容や効果的な方法の開発をしています
自動運転を利用するために最低限必要な知識を明確にして、教育すべき内容を整理するとともに、効果的な教育方法を開発します。
限られた時間・資源の中で効率的な教育を行えるために、誰もが持つべき態度・汎用的な知識と、システム固有の知識とを層別し、それぞれに適切な機会とマッチングさせます。
開発した手法を現場で検証し、自動運転システムの安全な利用を促進して自動運転車の普及を後押しします。
教育機会と内容の枠組み構築
日本において自動運転利用のための教育の機会と、それぞれの機会でどのような内容を教育できうるかについての枠組みを整理しました。時間や資源の制約があるため、それぞれの機会でできることは限られていますので、それぞれの機会の特性に応じた教育内容・方法の選択が重要であると考えています。
一般的知識を講習することの効果検証
ドライビングシミュレータ(DS)実験の約1か月程度前に、自動運転に関する一般的な知識(自動運転のレベル、運転交代の必要性など)の講習を受けた群では、DS実験での事故率を低く抑えられることなどがわかりました。
効果的な教育方法の検討
これまでのウェブ調査によって、教える内容をテキストで説明するよりも、動画形式で説明したり、クイズ形式で理解を深めてもらうことが効果的であることがわかっています。
それに加え、一般的知識を教える場合には自分事としてとらえてもらうための動機づけが重要であることもわかってきました。動機づけのためのオープニング動画を見せることによって、DS実験でも安全性の向上に効果があることを示す結果が得られつつあります。
SIP自動運転は、引き続き人文・社会科学の視点も含む総合知をフル活用して、Society5.0の具現化として社会構造を変革する自動運転社会の実現と、その先にある一人ひとりの多様な幸せの実現に貢献していきたいと思います。