Zone C

自動運転の安全性

C4 新たなサイバー攻撃手法と対策技術に関する調査研究

コネクテッドカー時代の脅威~サイバー攻撃に備えて

自動車のコネクテッド化および運転の自動化に伴い、様々な機能が車両システムに搭載され、大量の情報が車両内外で送受信されます。このような状況の中、車両システムに対するサイバー攻撃のリスクが増大しており、自動車業界としてサイバーセキュリティ対策への取り組みが不可欠となっています。

セキュリティ環境の変化

車両のコネクテッド化に伴うセキュリティリスクの増大

セキュリティリスクに関してのフローチャート

国際的な法規の整備

UNECE WP29におけるUN-R155/R156の合意

国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)

新たなサイバー攻撃手法と対策技術に関する調査研究

自動車のコネクテッド化および運転の自動化に伴い、様々な機能が車両システムに搭載され、大量の情報が車両内外で送受信されます。このような状況の中、車両システムに対するサイバー攻撃のリスクが増大しており、自動車業界としてサイバーセキュリティ対策への取り組みが不可欠となっています。

自動車業界におけるセキュリティ対応能力の向上に貢献するため、車載IDS*(活動a)および脅威情報共有システム(活動b)に関する調査研究を行いました。

車載IDS*(活動a)および脅威情報共有システム(活動b)に関する調査研究

*IDS (Intrusion Detection System):ネットワークに発生するイベントを監視しそれを分析することで、ハッカからの偵察行為や不正侵入などの攻撃の兆候を検知し、通知するシステム。
*V-SOC : Vehicle-Security OperationCenter. 車両を監視し、インシデント等が検知された場合は、PSIRTと連携し、対応を行う。
*PSIRT : Produc t Securit y IncidentResponse Team. V-SOCや第三者からのインシデント通報を受け、対応を行う。

本事業の概要

自動車業界における円滑な社会実装を進めるため、本調査研究で得られた成果を、各業界団体へ移管・展開しました。

新たなサイバー攻撃手法と対策技術に関する調査研究を各業界団体へ移管・展開

新たなサイバー攻撃手法と対策技術に関する調査研究(活動a)

IDS評価ガイドライン作成

基本的な検知機能、検知ルールを設定する機能等が実装済みのIDS(=Off-the-Shelf型のIDS)を利用する開発スタイルを前提とし、IDSの選 定とIDSの要求定義・追加要求定義の工程において、OEM/サプライヤーに参照いただける情報を提供することを目標としました。

本研究のスコープ

Off-the-Shelf型IDSのプロセスと本研究のスコープ

Off-the-Shelf型IDSのプロセスと本研究のスコープ

調査方針

方針1:網羅的かつIDSを比較することができる詳細レベルで概要を評価
方針2:過去の攻撃事例と同等の想定攻撃の検知・解析可否を評価
方針3:簡易なテスト環境でIDS実機評価

実際の写真

シミュレーション環境とテストベッド環境(写真)

内容

  • 検知機能の要件化方法
  • IDSの基本要件
  • 仕様評価観点
  • 基本テストケース
本研究のスコープ 各内容の構成と関係

新たなサイバー攻撃手法と対策技術に関する調査研究(活動b)

プロアクティブな情報収集方法と情報共有システム

自動車業界においてインシデントの初動対応能力を向上させるため、脅威情報の「収集」と「共有」に焦点を当て、調査研究を行いました。

プレイグラウンドによる脅威情報収集

車両システムに対してサイバー攻撃者は

・どのような動機があって攻撃するのか?
・どのような攻撃手法を用いるのか?

プレイグラウンドによる脅威情報収集の方法

【実証実験】コネクテッドシステムを模した環境を構築

コネクテッドシステムを模した環境を構築(写真とフローチャート)

ハニーポットによる脅威情報収集

車載機器の探索からハニーポット運用までの流れ

車載機器の探索からハニーポット運用までの流れ

ハニーポットイメージ

ハニーポットイメージ

探索での発見機器

探索での発見機器(写真)

脅威情報共有システム

共有システムの持つ情報

共有システムの持つ情報 共有・収集・活用

機能を実現させるための要素技術

機能を実現させるための要素技術

課題と今後の展望

・車両システムに対するサイバー攻撃は今後増加するが、情報を能動的に収集し、サイバー攻撃の実態を把握する取組は十分に行われていません。
・本研究で得られた成果により自動車領域における脅威情報の「収集」および「共有」が推進され、自動車業界の初動対応能力の向上に寄与することを期待します。

安全貢献賞